自腹で購入する初めてのMacBook!今回は非常に悩みつつも2022年7月8日から予約受付が始まったM2チップ搭載のMacBook Airをポチりました♪
こちらの記事では私がMacBook Air M2を購入した理由と、購入前のMacBook Airの評価を紹介しています。
※注 写真はMacBook Air M2ではありません
はじめに
Apple製品に限らず製品レビューの記事は世の中に多数ありますが、私はレビュー記事を書いている人のバックグラウンドや類似製品の使い方を理解してから記事を読むことが重要だと考えています。それはその人の使い方、考え方にレビュー記事の方向性が大きく左右されるからです。
この記事を書いているぼんぼんの属性
- WindowsノートPC使用歴20年
- プライベートでのMacBookの使用経験なし
- スマホはiPhone
- WIndowsノートPCの設計/開発経験7年
- シリコン(CPU等)の開発/デバッグ経験6年
つまり、パソコンに関しては生粋のWindowsユーザーで仕事としてノートPCの開発経験があり、パソコン/CPUの内部構造や製品ベンチマーク結果の見かた/ベンダー側の見せ方について、一般の方よりは知識があります。
一方でノートPCの使い方は特殊です。
- 主にバッテリ環境で使用
- ノートPC上で使うのはウェブブラウザとリモートデスクトップ接続ツールのみ
- ノートPCはサーバーに接続するための端末として使用
つまり、色々なアプリをインストールしてノートPC上でアプリを書いたり、動画編集したり、PCに負荷をかけるような作業はほぼ無いです。あえて言うなら録画したテレビ番組をブラウザ経由で見るくらい。
これを踏まえて記事を読んでいただけると幸いです。
MacBook Air M2を購入した理由
私がMacBook Airを購入を決めた理由は以下の2つ!
〇ココが魅力
1.圧倒的な電力効率(性能とバッテリ持ち時間のバランスが優れている)
2.綺麗で明るい画面
3.ファンレス(音が静か)
一方で悩ましい点もありました。
ココがダメ
・ 値段が高い(価格:17万円~)
円安の影響で値段が変わる前のMacBook Air M1は約12万円でした。M2 Airが同じ値段で出てくれば即買いでしたが、5万円の値上げはどうするかかなり悩みました。。
メリット1: 圧倒的な電力効率
MacBook Air M2は公表されているスペックでは連続18時間の動画再生、連続15時間のWiFi環境下のウェブブラウジングとなっています。
カタログスペックと実際に使用した時で結果が異なる可能性はありますが、MacBook Air M1ではほぼカタログスペックと同等であることが確認されているので、おそらくM2でもカタログスペックとほぼ同じ結果になると推測しています。
私が考えるM2の最大のメリットは優れた電力効率、この1点に尽きます。
Appleがプレスリリースで発表した主張が下記です。(この比較には罠もあり注意は必要ですが・・)
- 画像1枚目:同じ電力(TDP=14W)で比較すると10CoreインテルCPUよりも1.9倍性能が良い
- 画像2枚目:1/4の電力で12CoreインテルCPUと同等の性能を発揮できる
小さい電力で動作させるという制限を付けた場合だけ、MacBook Air M2はWindows PCよりも性能が良く、バッテリ持ちが良いと読めます。
メリット2: 綺麗で明るい画面
MacBookに限らずApple製品にはRatinaディスプレイが搭載されています。これはピクセル密度が高い高精細なディスプレイで高解像度な写真をみるとはっきりと違いが分かる非常に美しいディスプレイです。
ではWindowsノートPCでRatinaディスプレイを搭載しているものはあるのでしょうか?
Ratinaという名称はApple社の商標なので、"Ratinaディスプレイ"を搭載したWindowsPCはありません。しかし、MacBook Air M2の画面解像度は2560x1664 (224ppi)です。同じ画面サイズで対応解像度が2560x1664以上であれば、MacBook Air M2と画面の見た目は基本同じということになります。
つまり、WindowsノートPCでRatinaディスプレイと同等性能のディスプレイを持つ製品はあります。
しかし、ポイントは高解像度のディスプレイ=バッテリ持ちが悪い点です。
例えば4Kディスプレイを搭載したWindows PCが、MacBook Air M2と同じ時間連続で動画再生できるのであれば、私はおそらくWindows PCを買います。現時点ではそのようなWindowsノートPCは存在しないため、今回MacBook Air M2を購入しています。
メリット3: ファンレス
現在販売されているWindowsノートPCの大部分には冷却用のファンが搭載されています。基本的にファンレスで設計できるのはノートPCの場合、冷却スペースが限られるためTDPが10W程度が限界と思います。インテルのモバイルCPUの場合TDPが15W以上となるケースがほとんどのため、冷却ファンは必須です。
ファンレスだと当然ですが、起動中に駆動音がほとんどしない(ゼロではない)ことになります。私は音に敏感なところがあり、体調によっては何か継続して発生する音が原因で頭痛になったりすることがあるので、静かなパソコンはそれだけで魅力的です。
ほかにも動画を見ているときに急にパソコンのファンが回りだしてうるさくてボリュームを上げたという経験はないでしょうか?そんな心配もMacBook Air M2では不要になるでしょう。
デメリット:価格が高い
MacBook Air M1がリリースされた2020年11月時点では、Apple M1は既存のモバイルCPUはもちろん、下手するとデスクトップCPUですら凌駕する性能を発揮できるCPUでした。その圧倒的な性能がわずか12万円で購入できるコストパフォーマンスの良さが一番の売りだったと個人的に思っています。
しかし、2022年7月時点でMacBook Air M2は最小構成でも17万円から、メモリ16GBに増やすと19万円です。
インテルやAMDの最新CPUも進化を続けておりM2は既に圧倒的な性能を持つCPUではありません。この値段出すとMacBook Air M2よりも性能が高いWindows ノートPCを購入することができます。
コストパフォーマンス、そして圧倒的な性能差というメリットが失われた今、価格が高い点が大きく強調されてます。
AppleがインテルCPUと性能比較をした本当の意味
下記は先ほども紹介したAppleのプレスリリースの資料で、M2がTDP28Wの12Core 第12世代インテル i7-1260Pの1/4の電力で同等の性能を発揮できると主張する資料です。
これをだけを見てM2すげーと思うのはちょっと違うかと。まぁ電力効率はすごいのは事実ですが。
私の記憶ではM1のプレス発表の時にはApple自身が対抗CPUのSKUを指定して性能を比較するようなことはなかったと思います。
なぜ今回わざわざi7-1260Pを指定して性能比較をしているのでしょうか?
ちなみにi7-1260PはCorei7の最上位SKUではなく、この上にはi7-1270Pとi7-1280Pが控えています。
理由はシンプルで、インテルはよくこのような比較をしますがベンダーが何か条件を付けて比較をする場合、本当の意味はその条件を付けないと負けるからです。
上の資料では相対性能100の時のM2電力が7Wでi7-1260Pが28W程度です。i7-1260Pの1/4の電力で同じ性能が出せる主張はおそらく正しいでしょう。しかしM2はTDPが15Wまでしか上げられないのに対して、i7-1260Pは最大で64Wまで上げられます。i7-1260Pが電力を64Wまで上げるとM2の1.4倍以上性能が出ると資料からは読み取れます。
Corei7の最上位SKUであるi7-1280Pを使うともっと性能差はひらくと推測できます。
だからAppleは今回性能ではなく、電力効率という点を強調して勝負しています。M1の時のプレスリリース(下記)と比較をすると見せ方に違いがあるのが分かると思います。M1の時は性能も、電力効率も圧倒的に優れていたのでわざわざ条件を付けて比較する必要がなかったということですね。
M2は単純に性能で比較されるとインテル最新CPUに負けてしまうから条件を加え電力効率では勝てるよ、と言っています
i7-1260Pを搭載するWindows PCの一例です
- Dynabook GZ/HV 13.3inch 価格:16万円~
- Dell Vostro 5320 13.3inch 価格:13万円~
- Lenovo ThinkPad T14 14inch 価格:18万円~
MacBook Air M2は16万円~
価格はWindows/Macともに差はありません。あとは選ぶときに何を重視するかになりますよね。
性能?互換性?バッテリ持ち?デザイン性?
私はノートPCは性能はほどほどで良いが、とにかくバッテリーが長持ちしてほしいです。だからMacBook Air M2を選択します♪
まとめ
私がMacBook Air M2を予約した理由を紹介させていただきました。合わせてなぜベンダーが条件を付けて製品比較を行うのか、その意味についてお話しています。
Apple M2は単純に性能で比較をするとインテルCPUに負けてしまうので、電力効率という点に条件を限定することで自分たちが優れていますよと主張しています。
ベンダーが他社製品と性能比較をする際は何か条件が付くことが大半です。その条件はその製品のデメリットの裏返しになっていることが多いです。ぜひそう言った視点で比較資料を見てみると色々と見えてきて面白いと思います♪